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ピチカート・ファイブ『シングルス』

この記事の最終更新日:2006年10月9日

singles
singles小西康陽 福富幸宏 村田陽一

コロムビアミュージックエンタテインメント 2006-03-31

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PIZZICATO FIVE JPN さ・え・らジャポン 超音速のピチカート・ファイヴ+最新型のピチカート・ファイヴ+レディメイドのピチカート・ファイヴ ロマンティーク96 ボサ・ノヴァ2001


2006年になって初めてピチカートのCD視聴。すぐ大好きになる。

学生時代音楽活動していた頃、音楽理論の素養がしっかり身についていて、練習・演奏とも完璧主義で、マニアックなコードが好きな人と数人会いました。そういう人たちは何故かたいてい、絶叫したり、ものすごく暗かったり、楽曲よりアーティストの生き様がリスペクトされるような音楽は、嫌いというか聴いていないのでした。彼らはみんな明るくさわやかなポップが好き。ああ、ピチカート・ファイブは、どんぴしゃでそんな価値観共有しているバンド。

ポップでキャッチーな王道のポップなんだけど、演奏、コード進行、メロディー、編曲全部ひねりまくり、遊びまくりで、多分楽譜みたらものすごい複雑で、シャープやフラット出まくってんだろうなって印象。

このシングル・ベスト盤で好きな曲は『スウィート・ソウル・レビュー』、『陽の当たる大通り』、『悲しい歌』、『メッセージ・ソング』、『君みたいにきれいな女の子』、『パーフェクト・ワールド』。

ポジティブな歌詞大好き。
「何もかもがうまく行きそうな一日」「パーフェクトな一日は目覚めてすぐわかる」。こんなに恋のロマンを絶対化していいのかと思うんだけど、それは社会への絶望に対するアンチテーゼだとわかり共感。

「世の中にハッピーもラッキーも全然なくても あなたとなら嬉しくて ほほ頬ずりしたくなるでしょ」

絶望からの最終的救済としての恋愛。それは社会からの逃避ではなく、裏返しのまぬけ社会批判。

「きみみたいにきれいな女の子が どうして泣いているの きみみたいに すてきな女の子は どこにもいないのに」スウィート!

今年の3月に新しいベスト盤が2枚出ていますが、このアルバムはシングル集。アルバム曲だとシュールで実験的な曲が増えますが、シングルはいろんな部分こりまくっていてもポップで軽快!おすすめです。


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(c) Sidehill