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ドリーム・シアター『ホエン・ドリーム・アンド・デイ・ユナイト』

この記事の最終更新日:2006年10月14日

ホエン・ドリーム・アンド・デイ・ユナイト
ホエン・ドリーム・アンド・デイ・ユナイトドリーム・シアター

ユニバーサルインターナショナル 1992-09-23


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アルバムのレビューに入る前に、プログレッシブ・メタル、略称プログレ・メタルというジャンルとは何か解説しましょう。アイアンメイデン、メタリカのような重たいギターリフの音と、ラッシュ、キング・クリムゾンのようなプログレッシブ・ロックが融合した音楽のことを、プログレッシブ・メタルと言います。

音楽はヘビメタなんだけど、歌詞は哲学的、精神分析的、ギターだけでなく、ベース、ドラム、キーボード、誰もが超絶技巧。楽曲は10分を超す大作が多く、変拍子、転調が多いです。複雑怪奇で難解で、音楽好きにはたまらない知的刺激に溢れる名曲多数。

さて、ドリーム・シアターはセカンドの『イメージズ・アンド・ワーズ』で大ブレイクしたバンドです。ボーカルの違うこのファーストアルバム、世間では評価も低く、相手にされていません。僕も当然のごとく今まで相手にしていなかったんだけど、ドリーム・シアターのアルバム全てが気になったので、聴きました。

後期、どんどんプロフェッショナルになっていくドリーム・シアターの音より、「イメージズ・アンド・ワーズ」の、他の凡百バンドっぽい、幼いポップな楽曲をやってるドリーム・シアターが好きな人には、このアルバム十分楽しめます。

まあ、このアルバム、最初はドリーム・シアターとは思えないほどキャッチーなメタル楽曲。キャッチーと言っても、メロディーとかリフが、キャッチーなだけで、もちろんテクニックは超絶で、変拍子も多用されているんだけど、なんか普通のメタルバンドみたいなキャッチーなリフが続きます。後は、ケヴィン・ムーアのキーボードがきらきらよく鳴っている。3作目以降のアルバムでは、ギターリフの重低音がメインになって、キーボードが後退した感があります。このファースト・アルバムでは「イメージズ・アンド・ワーズ」同様、キーボードが前面に出ておりキラキラなっています。そこがまたポップでキャッチー。

他のレビューでは、音が軽くて悪いと言われていますが、僕はこの音が好きです。90年代初頭の頃の音だもの。ニルヴァーナが出てきた頃からメタル人気は後退し、オルタナにとってかわられます。メタルがヘヴィネス、オルタナに変わる直前、メタル人気終焉期の、91年とか92年に発表されたアルバムの音はどれも好きです。スキッド・ロウの2ndとか、メタリカのブラックアルバムとか、ライオットとか、ジャーマン勢とか、この頃のドラムの音は独特にきらきら輝いているし、ギターリフも耳なじみしやすいものが多い。ドリーム・シアターのこれもさすがにデビューアルバム、時代の音にどっぷり染まっており、今聴くと懐かしいです。



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