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ピストルズのCD聴いても歌詞読んでも本読んでも、いまいち当時の熱狂は理解できない。鳴り物入りで乗りこんだ全米ツアーの失敗によってピストルズ及びパンクの人気は衰えることになる、なんて某百科事典サイトに書かれているけど、全米ツアーの模様を中心にパンクの熱狂を記録したこの映画を見ると、そんな批判は嘘に思える。
パンクスにカメラ向けると、中指たてるし、カメラ壊そうとするし、つば吐きかけてくる。ここまで攻撃的なロックファンはパンク以前存在しなかった。社会規範からの逸脱、権威否定はパンクが頂点。
シド・ヴィシャスがやっぱり抜群にかっこいい。ベース弾いてないかもしんないけど、そんなの関係なくステージにいるだけでかっこいい。
インタビュアーがシドの部屋に行くんだけど、本人ベッドで半覚醒の睡眠状態(おそらくヘロインの影響)。隣にいるガールフレンドのナンシーがずっと喋ってて、肝心のシドは起きたり眠ったり。途中ナンシーが何の脈絡もなく突然脱ぎ出し、乳房をカメラにさらした時は本当にびっくりした。ようやく目覚めたシドは「でさっきの質問は何だ?」「何て言ったんだ?」と逆ギレする始末。インタビューに対するこの態度こそパンク! コミュニケーションのコードなんて関係ない。
不可思議な二人の死亡日(ナンシーは1978年、シドは1979年)が表示されてインタビュー場面終了。ちなみにナンシーはシドにナイフで腹部をさされて死亡している。