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ザ・ジャム『In The City』

この記事の最終更新日:2006年10月9日

In the City
In the CityThe Jam

Polygram International 2004-08-09

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パンク・ムーブメントが浸透しすぎて、衰退に代わりつつあった時期にデビューしたバンド、ザ・ジャム。ピストルズ、ダムド、クラッシュらパンク絶頂期のバンドに比べて、明らかに高度なテクニック。歌はうまいし、演奏ぴったしだし、曲はいいし、パンクバンドがこんなに上手くていいのかと驚いてしまいます。けれど曲は全曲快速で、まさにパンク!

ハードロック、プログレッシブ・ロックなど、ひたすら技術的に進化し、「芸術」に成長しようとしていたロックのあり方を否定したのがパンク・ムーブメントです。その否定性、反動性こそ実は最前衛の芸術運動だったのかもしれないけれど、70年代末には、アンチテーゼとして出現したパンクがシーンに浸透しすぎた結果、「権威」となってしまいます。超テク全盛の時代後、一度も楽器持ったことのないやつらがバンドとしてデビューできるという革命が起きた結果、今度はパンクを演奏していなければ売れなくなってしまったのです。

権威と化してしまったパンク後期に出現したThe Jamは、本当はパンクスでなかったかもしれません。80年代のその後の音楽的発展を見ると、メンバーは精神的にパンクでなくて、モッズだったのかもしれません。けれどデビュー作であるこのアルバムは、紛れもなくパンクの時代の音を刻んでいます。

とりあえず捨て曲なし。最初から最後までかっ飛んで聴けます。ジャムはパンクじゃないといくら言われても、これだけ音楽が素晴らしいんだから許せてしまう。名作です。


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(c) Sidehill