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ベル・アンド・セバスチャン『わたしのなかの悪魔』

この記事の最終更新日:2006年10月1日
わたしのなかの悪魔
わたしのなかの悪魔ベル・アンド・セバスチャン Belle & Sebastian

東芝EMI 2000-05-31

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原題はfold youe hands child, you walk like a peasant、解説の訳では「子供よ、拳を握り占めろ。君はまるで無学な小作人のように歩いてる」。

多くの人が社会に躍らされている中、ベルセバだけは誇り高く、しっかりした足取りで美しく歩いています。

仕事中よく音楽をかけます。たいていBGMにふさわしくない、主流から外れたとんがった音楽をかけるから、みなから「何これ?」などと質問されるのですが、ベルセバをかけても、誰も何も言ってきません。カフェ・ミュージックみたいに心地よく、誰の心もかき乱さない快適な音作り。音楽が音楽であることを、音楽以外の何者でもないことを目指した音作り。

楽曲の歌詞ではないのですが、CDブックレットについているベルセバ作ショート・ストーリーの訳文が最高です。

若い人たちの理想が大人の商業的世界に対峙する時、意志の強さが試される。

「意志の証としての美しさ」という山崎洋一郎による解説文は実に的確です。
自分たちの価値観・音楽観を曲げない強固な意志、決して妥協を許さない姿勢をアルバム一枚からこんなにも感じられるのは、今どきベルセバくらい。



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