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DINOSAUR.JR『ハンド・イット・オーヴァー』

この記事の最終更新日:2006年10月1日

Hand It Over
Hand It OverDinosaur Jr.

WEA 1997-03-25

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オルタナティブ・ロックブームを創り上げた、ソニック・ユースやニルヴァーナのCD解説に頻出していたバンド(ソニック・ユースやニルヴァーナ取り上げる前に、マイナーなこちらの方を取り上げるのもどうかと思うのですが、本当こいつらの存在はみんなに知って欲しいと思ったから取り上げました)。

聴く前は、バンド名が子供っぽかったので、馬鹿くさくておちゃらけたロック演奏してるのかなと想像していました。趣味と違うので手つかずだったのですが、いざ聴いてみたら全然イメージと違い、趣味のど真ん中にヒット!

暗く、陰鬱で、メロディアス。この種の暗さはニルヴァーナと共通していますが、ダイナソーJR.の方は、ニルヴァーナみたく「ヴァースささやき声、コーラスで絶叫」パターンでなく、最初から最後まで同じつぶやき声のヴォーカル。それがまた渋く、実に味があります。ブルージー!

グランジ系のバンド群はギターソロをメロディアスに弾きませんが、シアトル出身じゃないし、グランジブーム前から活動していた本物のオルタナバンドたる彼らのギターからは、泣きのメロディーが続出します。過去にどこかで聴いたことがあるような、素晴らしい泣きのメロディーが曲冒頭から炸裂! それでも全体の音像はハードロック超絶バンドではなく、疲れて憂鬱なグランジ。

一つ前のアルバムは割とすかすかで陽気です。このアルバムで大きく音が変わりました。ノイジーでブルージーで、とにかく曲の完成度が高い。孤高の存在。これはほんとおすすめです。


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(c) Sidehill